【糖質制限の誤解】インスリン関係なく、脂肪は普通に吸収される【仕組みを解説】

「糖質制限も、食べ過ぎれば太る」という情報を見たとき、

わたしは自分がネットや本で集めた糖質制限関連の情報から、

(((いや、インスリンさえ出なければ脂肪は合成されないんだったら脂質とタンパク質だけで、糖質を取らなければ太らないんじゃないの?)))

と思っていました。

ごきげんよう、ユユです。

そう思っていたのは学生時代ですが、糖質を制限するくらいなら、他はいくら食べてもいいって言ってくれなきゃ割に合わないよ、という気持ちでしたね。笑

おそらく何回かダイエットを試みるも挫折して、過食をやめられる自信がなくなっていたのも影響し、完全にバイアスかかってたからだと思います。それか、かなり疲れてヤケクソになっていたかのどちらか。

当時は、ダイエットにかなり必死だったので、そこそこ広く情報集めていたし、生物学も普通に勉強していたのに、こんな思い違いをしていたのは意味不明すぎましたが。都合のいい情報ばっかり集めてたのかもしれませんね。

ですが、ですが、

「糖質さえ取らなければ食べ過ぎても太らない」っていう情報をみて、そんなの見て過食に悩んでいる人で食いつかない人います?いや、いない(断言)

そんなこんなで、

「糖質さえ取らなければ制限なし?低糖質のお菓子もあるし、これは勝ち、勝ったな」

盛大な勘違いをしてはじめた糖質制限を続けたものの、理想の体重までなかなか痩せませんでした。

そして、だんだんと糖質制限そのものも続かなくなってきたので(だってご飯食べたい…)

一から生化学の勉強をし直したわけです。

すると、

(いや、よく整理してみたらやっぱり食べ過ぎれば糖質取ってなくても、蓄えられますね)

(『糖質と一緒に取らなきゃ太らない!!』はさすがに嘘八百すぎる、、なんでこれ信じ込んでたんだろうか少し前までの自分……)

(それに、どう考えても『糖質が中性脂肪になる経路』と、『脂肪が脂肪として吸収される経路』は別、、なんでこんな勘違いを、、?)

(そもそも、インスリンって糖質なくても普通に基礎分泌はされてるから常に一定量は分泌あるし、脂肪合成を促進するのは合ってるけど、だからといって『インスリンが出なかったら摂った脂肪分が蓄えられない』わけではなくて、インスリン追加分泌したら”より”太りやすくなるってだけなのでは…おや…?)

※糖の放出量と生命維持に必要なエネルギー量を釣り合わせて、血糖値を一定に保つように分泌されている基礎分泌の分のインスリンは常に出されています※

(というかこれ『糖質なしで食べると脂肪として蓄えられない』んだったら、イヌイット的な肉食の人は食糧尽きた時点ですぐ死んじゃうことになる?それはありえないような)

((これ、けっきょく

頻繁に食べ過ぎるのをやめなきゃ意味ないじゃん・・・(血涙)))

ということに気づきました。この思い違いに気づいたとき、ほんとうに青ざめました。え?なんで本当に糖質さえ取らなければ太らないと思ってたんでしょう。

冷水を頭からぶっかけられた気分ってこれか、みたいな感じでしたが、ダイエットに関する情報は需要がある分この世に溢れ返っていてわけがわからなくなりますよね、本当に。

いや~ダイエットでもいっぱい食べたいバイアス怖いです、怖すぎる過食気味で、いくら食べてもいいというのがあまりにも魅力的だったとはいえ……。

…………

……要するにです。

要するに、わたしは糖質制限について調べるうちに、太る原理を完全に勘違いしていたんです。

インスリンの作用や、糖が脂肪に変換されて蓄えられる仕組みといった、断片的な知識を一ミリも統合されていないバラッバラな理解の状態で。笑

今考えても、どうしてこんな勘違いをしていたのかわかりませんが、こんな基本を見落としていたとは……と気づいたときは泣きました。心の中で。

ということで、同じような状況で、甘いモノもご飯も大好きなのに「糖質は敵なの!」と必死に我慢している人のために、

この記事は「こうこうこういうわけで、糖質制限したって食べ過ぎたら太るのだから、無理にしているなら好きなご飯やお菓子を極限まで削って糖質制限ダイエットするのはやめませんか」という内容でお送りしたいと思います。

How people gain weight

脂肪が吸収→蓄えられるまでの流れを再確認【太る仕組み】

さて、ここまでお話したように、以前の私は「脂肪の吸収・蓄積の流れ」ついて、全くの誤解をしていました。

なので、いったん基本に返って、食べた脂肪分が体内でどうなるのかについて見ていきましょう。

食べた脂肪が血管に取り込まれるまで

専門用語とか出し過ぎてもややこしくなるだけなので、ある程度簡単に説明しますね。

まず、あなたに食べられた脂肪くんは胃を通って、十二指腸、いわゆる小腸に着きます。
 
そして、脂肪くんは胆汁のはたらきで水になじむようにされたり、リパーゼによって八つ裂…とにかく小腸内でより細かく分解されます。
 
それから、分解された脂肪くんであるグリセロールや脂肪酸、モノグリセリドはそれぞれ
→水に溶けやすいグリセロールは、そのまま
→モノグリセリドや脂肪酸は、水になじむようにしてから
といった形で小腸の柔毛へと吸収されます。
 
そうして、いったんバラバラにされて、柔毛(=小腸上皮細胞)へ取り込まれた脂肪くんは、またそれぞれ
→大きくない中鎖脂肪酸はそのまま門脈を通って肝臓に運ばれ、基本的にすぐにエネルギー化されて使われる

という消滅への道をたどり、

→大きい長鎖脂肪酸やモノグリセリドは、タンパク質と合体させられてから、リンパ管へ入る。リンパの流れに乗っかっていると、いつのまにか胸管から血管を流れている。そして血液の流れに乗って脂肪組織や筋肉、肝臓にも運ばれて、分解(=エネルギーとして使われる)、貯蔵される

という感じで脂肪としてあなたの一部になったりするわけです。

……まず、ここまでです。脂肪が血管に吸収されるまでで、インスリン関係あるところはなかったですよね。なのでひとまず、インスリンは脂肪の吸収にはあまり関係ない、と言っていいでしょう。

そして次、人が太るのは、その吸収した脂肪を脂肪細胞に取り込んで蓄えるからです。

なので、次は吸収された脂肪分が脂肪細胞に取り込まれ、身体に蓄えられる仕組みをみていきます。

血管に取り込まれた脂肪が、運ばれて脂肪細胞に取り込まれるまで

ここまでで、

分解され、タンパク質と合体させられてと散々な目にあい「キロミクロン」という「形態:リポたんぱく質」で血管に放りだされた脂肪くんは、

そのまま血液の流れに乗って、全身の脂肪細胞へと運ばれていきます。

そうして、血管から脂肪細胞へと取り込まれるわけです。

が、そのまま何もなく取り込まれるわけではなく、それにはある酵素がかかわってきます。

それが

LPL(リポたんぱく質リパーゼ)lipoprotein lipase

という酵素が、血管の壁にいます。そいつ、LPLを介して、脂肪くんはイイ感じに細胞に取り込めるように、またバラされ、、分解されることで無事、脂肪細胞のなかへ送りとどけられるわけです。これでようやく、脂肪くんはわたしたちの一部となって、まぁいわゆる「太った」状態になります。

さてこのタイミング、

ここで、インスリンが登場します。

インスリンはこのLPLの活性を上昇させます。

いや「LPL活性が上昇する、て言われても」ってなると思います。なので、言い換えるとこれは、

インスリンは脂肪くんを、血管から脂肪細胞へ、取り込みやすくする作用がある、

ということです。だから、糖質と脂質を一緒に食べると太りやすいというのはその通りだと思います。

ですが、糖質制限をすることで追加分泌されるインスリンがほぼ出なかったとしても、脂肪を取り込む役割を果たすLPLがなくなるわけではないので、糖質をとっていなかったとしても、エネルギーとして使われずに余った血液中の脂肪は、普通に取り込まれます。

インスリンによって、LPLの酵素活性、つまりLPLが脂肪を取り込む効率は上がります。

でも逆に、

厳格な糖質制限をしてインスリンが追加分泌で出なかったとしても、取り込まれないのではなくて、ただ働きが鈍くなるだけです。

基本的に脂肪細胞に、脂肪を取り込むスピードが遅くなるだけ

つまり、どういうことか?

糖質制限しても食べ過ぎて、その分が脂肪細胞に取り込まれれば普通に太る

ってことです。

どうでしょうか、納得していただけましたか?

多分一番の盲点っぽいのは、

「インスリンが出ることによって脂肪がとりこまれやすくなる」のであって、

「糖質をとってインスリンが出なければ脂肪細胞に脂肪がとりこまれることはない」と言ってるわけではない

ってところですね。

それと、わたしの場合はおそらく、

「余った糖質は肝臓で脂肪に変えられたりすること」と「脂肪が脂肪として蓄えられること」

を混同してしまって、

さらに、そこにインスリンの

「血糖値を下げるために余ったブドウ糖を脂肪細胞の中へ取り込む」

といった働きが、脳内でまぜこぜになって、

「インスリンが分泌されなければ脂肪は取り込まれないから、糖質制限さえしてれば脂質やタンパク質を食べ過ぎても太らない」という誤った結論

にたどり着いたんだと思います。

とにかく、重要なのは、

× → インスリンが出てはじめて脂肪は吸収&合成される
× → 食べ過ぎても糖質を食べずインスリンが出なければ脂肪は増えない
→ インスリンが追加で出ると脂肪は合成されやすく(つまり太りやすく)なるが、インスリンが追加で出なくても脂肪が余ればその分は蓄えられる

ということです。

そんなわけで、

「糖質さえ制限をしていれば食べ過ぎても痩せられる」というのは、ここまで見てきたように完全なる世迷言だ、というのが今のところのわたしの意見です。

「食べ過ぎをやめられない」のがどう考えても痩せられない根本原因

この糖質制限に関する誤解って、こういう↓

https://locabo.net/about/

誤解しやすい表現がけっこうあるのも原因のひとつだとは思います。笑

まぁ、これ↑に関しては、ただロカボの食事法はこうですよ〜って書いてあるだけで、別にそれで痩せる!とは書いてないし、ダイエットについて書かれてるわけじゃないので、非難しているわけではなく、私はこういうので誤解してましたっていうただの体験談です。

でも、一番は結局、

「過食や食べ過ぎをやめられないけど、それでも痩せたい」

っていう

「食べ過ぎを自分でやめることができない」

という悩みがそもそもの問題で、

糖質制限に関するこういう誤解されやすい情報は、食べ過ぎに悩んでいる人がとびついてしまいやすいのだと思います。

だから、痩せたいなら糖質制限はしなくてもいい 

ここまで見ていくと、糖質制限ってしなくていいんじゃないか?と思えてきますよね。実際、私は糖質制限では痩せなかったです。

まず、相当厳しい糖質制限を続けられる人なら、糖質制限に行きつく前にそもそもカロリー制限、というより「食べ過ぎない」こともできるはずです。

そして、どうせカロリー制限する必要があるのなら、糖質制限しなくていいし、わたしはしない方がいいと思います。

甘いものやごはん、パン、麺類、芋好きな人ならなおさら。笑

結果的に、糖質を死ぬほど摂っていた人が、糖質制限を意識することで本質的にはカロリー制限もできている、みたいな感じになるなら、糖質制限もいいと思います。が、これは本質的にはカロリー制限ですしね。

なので結論としては、

やってうまくいくなら続けたらいいし、

やりたくない、続けられないなら糖質制限をする必要はない、

そして、

糖質制限しても食べ過ぎないことは必要

という感じですね。

少なくとも私には一生糖質避け続けるのは無理ですし、

結局、痩せるためには、食べ過ぎを頻繁に繰り返すのをやめる必要があるんです。
 
 
 
過去の私は、
 
「食べ過ぎずに腹八分目で食べる」ことができる気がしなくて、それから逃げたくて食べ過ぎても詰め込んでも太らないダイエット法を探していました。
 
 
だから、糖質制限すれば、糖質以外ならどれだけ食べてもいいんだと、強烈に信じこんだんだと思います。
 
 
 
 
 
逃げていたんです。
 
 
 
 
でも、そんな私でも、最近では腹八分目で食べられるようになりました。
 
 
 
 
自分の食べたいものを、そしてできれば栄養的にいいものを、適量食べる。
 
 
 
 
それができたら、どんなにいいだろう……
 
 
 
って思いませんか?
 
 
 
 
食べ過ぎに悩んでいるのなら、きっとそれはすごく難しいことに感じるかもしれません。
 
 
でも、実はそれほど難しいことではないんです。もちろん、それなりの努力は必要ではありますが、誰にでもできます。
 
 
 
 
 
「頻繁に食べ過ぎるのをやめること」
 
 
 
 
 
それこそが、本当に
 
 
ダイエットから解放される」
 
 
ってことだと、そう思いませんか?
 
 
 
 
 
 
なら、どうしたら腹八分目で食べることができるようになるのか?
 
 
 
長くなってしまったので、それはまた別の機会に。
 
 

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